2005年01月22日

●「世界の中心で愛をさけぶ」映画版


いままで TV版「世界の中心で愛をさけぶ」サイコ-と叫んできたが、映画版が駄作だ…と 言ったつもりはない。




映画版は映画版で「ホロホロっと」したし、原作なんかよりは はるかに良かった。


たとえば、原作には無い


・「カセット-テ-プの交換日記」


・時代設定を原作よりも以前の1986年にした事。


この二つは 個人的に私自身の世代感と近くて とても懐かしく、身近な匂いを感じた。


で、映画を観た直後の 私の個人的な総合評価としては いろいろ不満な点はありつつもラストの 亜紀(長澤まさみ)の台詞、最後のテ-プのナレ-ションが とても素晴らしく、逝く亜紀の ひとつの心情描写として とても説得力を感じたから 素敵な作品として好感を持っていた。


ただ…、後日、「朔と亜紀の物語」というDVDをレンタル屋で発見して その中にある行定勲監督のインタビュ-を観ていて なんか言ってる事と作品から受けた印象のアンバランスさに疑問を抱き、映画版のノベライズ「指先の花」を読むに至って 少々、素直に「素晴らしい」と言えなくなっただけの事。


「指先の花」を読むと 映画版で登場した律子の存在意義が とても良く理解出来る。


しかし、ノベライズと言っても 映画そのまま…という内容では無く スト-リ展開や設定が微妙に違うので、率直に言って そのまま映画化してくれたら 気持ちよく泣けたのに…と思う。


映画とノベライズ どっちが原典なのか? それが私には判らないのだが、映画の中にある「律子」の交通事故 そして後遺症、そのスト-リ-の必然性が私には 上手く言えないんだが いまだに納得がいかない。


「ドラマなんだから どんな話でもいいじゃん」


そういう声も聞こえるが、「指先の花」というノベライズにおける


「何故、亜紀の最後のテ-プが サクに直ぐ届かなかったのか?」


という点についての理由付けは 殆ど違和感を抱かずに呑み込める。


単純に、行定勲氏のインタビュ-を観ていて 原作に不満を持っていた私は 行定勲氏の原作に対する世界観という話の中に とても同感する部分が大だった。


だが、その話している内容と 原作には無い、映画独自の設定は 大変、申し訳ないが整合性が薄い。


しかしながら、映画の設定と ノベライズの設定、どっちが説得力があり、整合性が高いか…と思うとき 私は「指先の花」の設定を支持するし、行定氏のインタビュ-も そういう表現なのだが… 映画と「指先の花」では 明らかに設定が違う部分がある。


森山未來と長澤まさみは とっても良かった。


どちらも TV版の山田孝之と綾瀬はるかと 比較する問題ではなく、映画版、TV版 それぞれのサクとアキを好演していたと思う。


とても素敵に思えた映画版ではありながら、以上の様な違和感を抱いていた私にとって TV版は 映画版と似つつも また違う設定で、はるかに説得力を感じさせてくれたのだ。


よく、映画版とTV版を比較する時 約2時間の映画版と 約11時間のTV版では その時間の差だけ表現できる内容が違いすぎる…という旨の指摘が挙がる。


これは大変ご尤もな話なので 私としては そういう比較で論じたいとは思わない。


映画版に、違和感を抱いた点としては


・原作では 祖父であるべき人物が 写真屋の親父に変更されていた点


・「何故、亜紀の最後のテ-プが サクに直ぐ届かなかったのか?」という点に関する理由付けの部分に説得力を感じなかった。


・律子という今サクの婚約者の設定に 納得出来にくい設定が多かった。


という事を挙げておきたいわけで。


もし、映画版の律子の設定が「指先の花」の方の設定だったならば、おそらく 映画版は映画版として素直に素晴らしい作品と個人的には称える事が出来たと思っている。


だからといって、映画版が駄作だ…なんて言う気は無いよ。


TV版観てからは泣けなくなったけど、それまでは 充分すぎるほど泣かされたんだもの。



 

記述者:ブタネコ | 掲載日時:2005年01月22日 00:28 このエントリをlivedoorクリップに追加 このエントリーのlivedoorクリップ被リンク数 このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーのはてなブックマーク被リンク数
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