さて、TVの旅番組や旅行雑誌などを読んでいて
「お、この温泉 行ってみたいな…」
そう思う事は数多い。
先日、『温泉に行こうかなぁ・・・』というタイトルでコラムを1本掲示したところ、数人の方から
「もう少し紀行文を書け」
と、メ-ルを頂戴した。
右上に表示されている< カテゴリ- >内の『記憶に残る場所』の方に 住んだ所や 仕事や旅行で訪れて記憶に残る場所について 今後、少しづつ書き連ねていこうと思ってます。
さて、彼女を連れて…、家族と一緒に…、友人達と合同で… 旅行には いろんなパタ-ンがある。
私が旅行に行く時は 必ず、行く先に目的がある。
「温泉に入りたい」
というのは 副次的な目的で、大抵の場合が その側にある何かを見に行きたい…というのが殆どである。
例外を挙げれば「明治以前の人々がしたように…」と言って 中仙道や野麦峠を歩く…みたいなケ-スだが、それだって ただ列車や車の車窓から景色を眺めるのではなく 地元の空気を肌で感じ 雰囲気を味わいたい…(たいていは 疲れ果てて ヘトヘト・ヨロヨロになるのだが…(爆))という感じなので 結局は「見る」という目的と変わらない。
で、その場合 極力、独り旅をしたいと思う。
本来であれば、嫁や娘と…というのが自然であり 家族サ-ビスという意味合いでも理想なんだろうとは思うけど、彼女らと同行すると煩わしくて 私の本来、楽しみとする「まったり」感が 激しく損なわれる。
だから、家族旅行は 時々、するけれども 私の中では それは「旅」ではない。
私にとっての「旅」とは その土地の景色を眺め、土地の空気を吸い、土地の味覚を味わいながら、土地の言葉を聞く事にある。
観光バスに揺られて 集団になって お決まりの観光コ-スを巡る様なものは嫌いなのである。
ただ、バッグパックひとつ背中に背負って…という旅は さすがに今の私には出来ない。
そういう旅は学生の頃や 社会人になりたての頃に 充分、味わったし、そういう旅をしながら
「ある程度 年を取って、それなりに資金力が身に付いたら ちゃんとした旅館やホテルで泊まる旅をするんだ」
と固く誓っていたから、今は その誓いに従って 多少、贅沢な旅に固執する。
ところが…だ、雑誌やTVで紹介された宿を「お? ここいいな…」と思って予約しようとすると かなりの確率で「独り旅なんだけど…」と言った瞬間に「あいにく御部屋が満室で…」とか「申し訳ありません 当方は複数以上のお客様じゃないと…」と体よく断られるのである。
最初は単純に「仕方ない」と諦めて他を探したり、別の候補地を探したりしていたのだが… それも、色々と人間関係が充実し、裏事情を知るに至って 単純な話では無い事に気が付いた。
つまり、独り旅で連泊希望…という客は
・無銭飲食、料金を踏み倒して逃げる奴が多い。
・自殺願望者のケ-スが多い。
・「独り」と言っておきながら 密かに数名を部屋に入れる奴が多い…。
等、トラブルになるケ-スが高いのだと言うのだ。
それを聞いて「なるほどなぁ…」とは思ったが、私は「死にたい」わけでも無く、「なんなら2名分の料金払うよ」とも言い、「先払いもしますよ」とも言うのだが、「申し訳ありません…」と断られてしまう。
旅館側の気持ちも判るけど 断られ続けるのは 実に切ない。
ある時、旅慣れた友人が こそっと囁いた
「そう言う時はさ 夫婦2人で予約するのよ、で、当日 独りで行っちゃって”嫁は急用で来れなくなった 二人分払うから泊めてくれ”って言えば 大抵がOKしてくれるよ」
詐欺みたいな手だが、ちゃんと料金を2人分払うのである。
大抵のところが すんなり泊まれるようになった。
だが、これも後で聞いた話だが 私の様な手法を用いて 料金を踏み倒して逃げる奴や自殺する輩が 最近は多いのだそうだ。
だから、当日に「実は妻が急用で…」と言った途端、露骨に嫌な顔を従業員にされたり、呼びもしないのに頻繁に仲居が現れる宿が実は多い。
結局、温泉旅館では「まったり」出来ず、リゾ-トホテル系への宿泊となるのだが…、私は 浴衣で首にタオル巻いて 和室の窓から外を眺めながら、夕食のお膳を食べたいのである。
洒落たリゾ-トホテルでは 情緒も無ければ、その地の雰囲気も味わえない。
まったく悲しい話である。
国内には 地方によって方言がある。
よく、訛っていると「田舎者」と馬鹿にされがちだが、私は どの地方の言葉であっても、この方言の会話を聞くのが大好きだ。
栄えた温泉街よりも 湯治場と呼ばれる温泉が好きなのも それが理由のひとつでもある。
土地によっては竹下首相の折に「ふるさと創世資金」と称して 各自治体にバラ撒かれた予算を使って町・村人用の公衆浴場を建てた所が 結構ある。
そういう風呂が最高なのである。
湯船につかっていると その土地に住む老人達が数人でお喋りしているのに巡り会う事が多い。
老人達の会話は 混じりっけ無しの地元の方言会話である。
その会話の音感をBGMに 風呂を楽しむ。
これ、試してみると良いよ 心の底から「ここは、旅先なんだ…、俺は 旅人なんだ…」と実感する。
世界地図で見ると ちっぽけな島国の日本だが、実際に出かけ回ってみると 案外、広いんです。
若いうちから海外に目を向けて 外国へ行こうとする若者が年々増えてきている。
それはそれで大変、結構な事だと思う。
なにか目的があって その為の旅行や留学であれば 尚更、結構な話である。
単に、見栄とか買い物目的なのであれば どうぞ御勝手に…という話だが、そういう若者達に聞いてみたいのは「貴方は どれだけ自分の国を知っていますか?」と言う事。
諸外国の人から見れば 全部、まとめて日本人。
でも、日本人って 案外、自分の国の事知らないんだ。
私は、元々 外国にあまり興味が無いから 国内巡りが主だけど、たまに 間違って外国に出かけると あらためて日本の良いところと嫌なところが実感できる。
若いウチに海外に出る機会を得た人は せめて、そんな実感ぐらい味わってくればいいのに…と思う。
免税店や ブランドの直営店巡りばかりせずにね。