とうとう4月である。
早いもので 今年の1/4は終わってしまった。
【注意】この記事には ハムスタ-等 ネズミ系愛玩動物愛好家の方には 大変、気に障りかねない文章があります。 従ってネズミ系愛玩動物愛好家の方におかれましては 読み続けて御立腹になられても責任を取りかねますので 以下を読み続ける事をお止め下さるよう御願い申し上げます。
会計年度も 今日から新年度。
例年なら さすがの北国札幌でも
「いやぁ 4月になったもねぇ… 温くなってきたっしょ」
なんて言葉を聞くはずなんだが…
何故か 昨日から雪が降り 一面、銀世界である。
嫁と娘は「愛知万博」を見物に行く…と言って 東京の銀座や六本木を歩き回っているらしい^^;
おかげで2匹の猫と まったりとした午後を過ごしている。
ウチの猫は 一匹は真っ黒に近い 濃い焦げ茶色。
そして もう一匹は シャムである。
昔、シャム猫は ペルシャやヒマラヤンと並んで 高級猫扱いだったのだが…
アメリカン・ショ-トヘア-やロシアン・ブル-といった猫達の登場に伴うように姿を消していき 今では ペットショップで なかなか見かける事は出来ない。
私の悪友である「易者の様な診断しか下さない2代目開業医」(「世界の中心で愛をさけぶ」墓参り』と言う記事参照)の母親は 近所でも有名な成金(死語ですか?)ババァだった。
旦那が銭儲けの上手い医者という地位を利用して 松本伊代が歌う「テレビの国からキラキラ」が まるでBGMの 今では希少生物と言われる 語尾に「ざぁます」という言葉をつける言語を操るオバチャンだったのだが、そのオバチャンの趣味の一つが 血統書付シャム猫のブリ-ディングだったのだ。
「あら ブタネコ君 お久しぶりざます。 貴方はタク(我が家…という意味)の「易者の様な診断しか下さない2代目開業医」クンの仲良しざますから とっておきのシャム猫を差し上げるざます」
そう言って シャムの子猫をくれたのは 今から30年以上前の話。
当時、我が家は 親父がまだバリバリの現職自衛官だったから 自衛隊官舎に住んでおり、自衛隊官舎に シャムという高級猫は 実にミス・マッチな存在だったのだが、ウチの親父は豪快な人だったから 猫に首輪とリ-ドをつけて シャム猫の散歩をして歩き回っていた^^;
(見せびらかしたかったんだと 思う… 意味無いのに(ToT))
私と同じ様に アキバ系研究員を束ねた某国立大学理工学部教授、腕力しか取り柄のない歯科医、もの凄く気の弱い弁護士、達も 「ざぁますババァ」から ありがたくシャム猫を頂戴したメンバ-である。
初代のシャム猫は 18年という 猫では相当な長寿を全うして他界したが、今でも系譜は続いており 我が家にてまったりしている2匹も その系譜である。
さて…、札幌には 昔からペット専門の葬祭業者がある。
我が家の猫が 寿命を迎えて昇天すると いつも御世話になっていたのだが…
最初に そこで初代を弔った頃は 国道に面した 掘っ建て小屋状態の事務所だったのだが、二匹目、三匹目…と 弔いの度に行くと 建物が増築され どんどん大きくなり 今では鉄筋コンクリ-トの四階建て(冷暖房完備)となっている。
その発展ぶりを見るにつけ、「儲けてやがるなぁ…」と感心するのだが 10数年、生活を共にした猫は 家族の一員である。
飼い主としては きちんと弔ってやりたい。
だからこそ、たとえタテマエであったとしても 埋葬業者に依頼して 焼骨し、お経を貰い 弔ってやりたい… そう考えていた。
で、ある時 我が家の猫が一匹 昇天してしまい その弔いに行った時の事である。
その日は 葬儀が多く 立て込んでしまったようで、いくつかの家族が亡骸を納めた箱を囲んで葬儀の順番を待っていた。
私も嫁と二人で その中に混じり、待合いの片隅でタバコを吸いながら 嫁と私が座っている長椅子の間に 愛猫を納めた箱を置き 順番が来るのを待っていた。
たまたま 私の隣には 小学校低学年の娘と その両親が3人で座り、娘は小さな箱を大事そうに抱えている。
隣の家族の父親が 私に 私の横に置いた箱を見ながら
「おたくは 犬ですか? 猫ですか?」と聞く。
それに対して 私は ぶっきらぼうに
「弟です」
と 応えた。
分類で分ければ ウチのは猫である。
しかし、我が家で10年以上暮らした 私に言わせれば子供であり、兄弟である。
それに ペット・ロス症候群で 私の機嫌は すこぶる悪い。
しかし、「弟」という答えを どう捉えたのか その父親はギョッとした表情を浮かべると あわてて顔を逸らし
「何も聞かなかった事にしよ…」
みたいな仕草をしている。
それが 私にはカチン!ときた。
私「おい? わざわざ犬か猫か聞いといて 話は それで終わりか?」
父親「え? あ、いやぁ…」
私「猫だよ 弟みたいに暮らしてきた猫だよ」
すると その父親は ホッとしたように 引きつった笑みを浮かべながら
「それは ご愁傷様です…」
私は ムッとしたまま無視… ところがだ、隣に座っていた小学校低学年の娘は いきなりパッと立ち上がると
「この椅子 嫌だ! あっちに行く」
と 小箱を大事そうに抱えながら別の 席に移った。
親は 慌てたように
「**(娘の名前:覚えていない)ちゃん どうしたの? こっちに座っていれば…」
「だって、隣に猫がいたら ##(ペットの名前:覚える義理は無い)が食べられちゃう!!」
「食べられちゃう」… 穏やかな表現ではけっして無い。
私は その娘の父親に「なんだ それ?」と 聞くと その娘の父親は 慌てぶりを増しながら「スイマセン ウチのはハムスタ-なんで スイマセン 娘は まだ小さいので よく判って無くて…」 必死に弁解する。
私も 小さい子の言葉に いちいち腹を立てるほど鬼じゃない。
しかし、その父親が 続けて娘に言った
「**(娘の名前:覚えていない)ちゃん 大丈夫だよ、隣の猫は もう死んじゃってるから…」
という台詞を 聞き流すワケにはいかなかった。
「もう死んじゃってるから」
その言葉を聞いた瞬間 私はブチ切れた。
「この野郎、この場で最も言っちゃイケナイ言葉を吐きやがったな? オマエも そのハムスタ-と一緒に葬ってやるから 表に出ろ!」
埋葬業者の事務員が数名 慌てたように飛んで来て仲裁に入る。
他の遺族達は 興味津々で眺めている。
失言を吐いた父親は ひたすら謝っている。
私は 自分でも 自分の頭から湯気が出てると思えるほど激昂していた。
(ハッキリ言って ペットロスの八つ当たりなんだが…)
ひとしきりの騒ぎが収まるまで ウチの嫁は 平然と黙って椅子に座ったままだった。
しかし、私には 嫁の身体を周りに 怒りのオ-ラが渦巻いているのが見えた。
だから、「こりゃ いい加減にしないと嫁に怒られる…」そう思って 怒るのを止めたのだ。
ひとしきりの騒ぎが収まり、埋葬業者の事務員が 取りなす様に持って来たコ-ヒ-を受け取りながら 嫁が初めて口を開いた。
嫁「ねぇ ちょっと」
事務員「はい?」
嫁「もしかして ここの合同埋葬墓地って 犬も猫も同じ穴?」
事務員「はい そうです」
嫁「なにソレ? うちの可愛い¥¥(我が家のペットの名前)ちゃんネズミごときと同じ穴なワケぇ?」
第二次葬儀屋大戦が勃発した^^;
「冗談じゃ無いわよ 3万も取って ネズミと同じ穴に埋まれってわけ?」
嫁は怒る。 今度は私が慌てる番だ。
だから つい、余計な事を口走ってしまった。
私「いいじゃないか ネズミと同じ穴でもさ… 御供物だと思えばさ…」
すると 先程のハムスタ-の一家の母親が
「冗談じゃ無いわ こんな所に頼むの止めた!」
そう怒鳴って 小箱を抱えた娘の手を強引に引っぱって憤然と待合いを出て行き、その父親が 相変わらず慌てたまま 後を追う。
ウチの嫁も
「これじゃ 浮かばれないし、行くトコにだって行けないわ アナタ、帰るわよ!!」
そう言い捨てて出ていく。
その時以来、我が家の庭の片隅に 小さいながら墓石が置かれ、猫達は そこで眠っている。
今、思えば けっして馬鹿にするつもりでは無く 純粋な意味でハムスタ-を弔おうとする精神は 賞賛すべき行動だったと思う。
だから、そんな親子と喧嘩になったのは 大変、心苦しく思う。
流行だからと ペットショップで高額で買いながら、飽きたからと捨ててしまう無責任な飼い主が多い中、見上げた者だとすら思う。
祖父や実父達の仏壇に 月命日にお経をあげに来る坊主に 年に2度 雪解け時期と初雪前に 猫達の墓石にお経をあげさせるのだが、「仏の沙汰も金次第」とは よく言ったものである。
坊主も澄ました顔で読経して お布施を受け取って帰って行く。
「今月の月命日までには 雪が溶けるかなぁ…」
そんな事を思いながら 再び、真っ白になった庭を見ながら つい考えた午後だった。