その時の時代や 地方によって いろんな呼び方がある様だが、『コックリさん』という呼び方が どうやらスタンダ-ドな呼び方の様である。
一枚の白紙の中央に 神社の鳥居の絵を描き 中央下部に「はい」と「いいえ」 紙面には50音の平仮名と0から9までの数字を書き、その紙面の上に置いた1枚の10円玉に 複数の子供達が全員で人差し指を置くと 誰かの質問に対して コックリさんが10円玉を動かして返事をしてくれる…というものである。
私の記憶の中で それが最も流行ったのが 昭和40年代末期頃で オカルト・ブ-ムという言葉が流れ、マンガでは「恐怖新聞」とか「うしろの百太郎」 映画では「エクソシスト」「オ-メン」「キャリ-」等がヒットしていた。
先に私のスタンスを述べておくと、私は 霊の存在やUFOの存在は信じている。
しかし、私は宗教的な事や ひっくるめて「占い」と呼ばれるものは 全く信じていないし、むしろ嫌悪すらしている。
この辺の事を詳しく語ると枚挙にいとまが無くなってしまうので 今回は 余り触れないでおくが…
私の学生時代からの友人の一人に「もの凄く気の弱い弁護士」という奴がいるのだが…、(「世界の中心で愛をさけぶ」墓参りを参照) 彼は 気が弱いクセに もの凄く年期の入ったオカルト・マニアでもある。
そんな彼の 当時の目標が「心霊写真を撮影する事」だった。
ブ-ムにのって 札幌市内の心霊スポットと呼ばれる場所が いくつも話題に上がり、その悉くの場所に「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」は 愛用のカメラを首から提げて出かけて行ったものだ。
しかし、心霊写真というモノは 念写じゃないから、「写すぞぉ」と勢い込んで行ったところで 簡単に写るモノでは無い。
何度と無く 出かけていく割には 一枚も撮れない… そんな日々が続いていたある日の事、満面に笑みを浮かべた「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる」少年は 我々に一枚のスナップ写真を見せてくれた。
それには 山裾の登山道の階段みたいな場所で お揃いのジャ-ジを着た数人の若者達が記念写真を撮ったものだったが、写真の左下に ハッキリと若そうな女性の上半身が写っていた… まさに心霊写真だった。
撮影場所は札幌市内の 藻岩山の裾野、市電の車庫がある所の傍で 今では跡形も無くなった場所だが、当時は 昔、料亭だった…と言われる廃墟があり、たしかに山の中腹へ登る階段があり、廃墟の裏には防空壕だった…と言われる洞穴もあった。
心霊写真を撮影して 満面に笑みを浮かべた「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」こそ 写真よりも私は怖いと感じたが、他の友人達は そんな事など お構い無しに
「これ合成じゃ無ぇのか?」
と 冗談半分に言って 半ば、信用しなかったところ…
「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」は怒り
「嘘だと思ったら ネガ調べてみろよ」
と 鞄からネガを取り出して 私達に差し出し、憤然としている。
私達も 引っ込みがつかなくなり… 「どれどれ?」とネガを見てみたら たしかにネガに傷は無いし、前後の写真の状況からも不自然さは感じられない。
だが、それよりも 心霊写真のネガ部分より 見れば見るほど 次の、そして その次の写真のネガに 恐ろしいモノが写っている事に 我々は気がついた。
「おい、この心霊写真のネガに写っている 他の写真を見せろ」
と、「将来、腕力しか取り柄のない歯科医と呼ばれる少年」が言うと それまで 憤然としていた「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる」少年はギクッとした仕草で固まり、
「いや、他の写真は 別に…」
今度は 我々の方が満面に笑みを浮かべ「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」に迫り、鞄の中にしまってあった他の写真を取り出させた。
思った通りだった^^
「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」は 36枚撮りフィルムの数枚だけ、心霊スポットでの撮影を行い、その前後の30枚近くは たった一人の同じクラスの女の子だけを おそらく隠し撮りしていた…と思われるアングルで写したものばかりだったのだ。
隠し撮り…と言っても 昨今におけるパンチラとか 更衣室とかのモノでは無い。
体育の授業や部活に興じる姿、登下校の姿、授業中に真剣に黒板を見つめる横顔…などである。
誰が見ても「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」は この女の子の事が大好きなんだ… それが窺えるショットばかりだった。
「こりゃ 凄い霊が写っているな」
将来、「易者の様な診断しか下さない2代目開業医」になるはずの少年が言った。
我々は「友情」という名の下に 一致団結して「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」の恋愛が成就する事を無責任に^^;祈った。
だから、皆で
告白しろ
と「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」を脅し励ましたのだ。
(「告白しないと この写真をバラまくぞ…」とも^^;)
放課後、脅迫に負けた友情に力づけられた「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」は その女の子を呼びだし
「ぼ・ぼ・ぼ・ボッキと つき合ってください」
(ホントに そう言った^^;)
と 告白した。
物陰で それを見ていた私達の中で「将来、腕力しか取り柄のない歯科医と呼ばれる少年」が
「もう勃起(ボッキ)なんだ」
と呟き 私達は笑いを堪えるのに必死だった。
その時の 女の子の「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」に対する回答は 簡潔明瞭なもので
「嫌(ヤ)だ!!」
その一言だけ。
そして、膝から崩れ落ちそうな「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」を その場に残して、そそくさと その場を立ち去って行った。
TV版「世界の中心で愛をさけぶ」の第2話で キスしようとするサクをアキが「嫌だ」と言って拒絶するシ-ンがある。
この時のアキの「嫌だ」という台詞の言い回しとタイミングが「将来、もの凄く気の弱い弁護士になる少年」の その時の場面とカブり、私には 個人的に笑えるシ-ンとなった。
後日談だが… その女の子は その後、20数年を経て 結婚生活に破綻をきたし、もの凄く気の弱い弁護士に「同級生の誼で…」と離婚調停の代理人を依頼したのだが、それに対して もの凄く気の弱い弁護士は 簡潔明瞭に、しかも力一杯に
「嫌だ!!」
と言って断った。
離婚の原因が その女の「ホスト狂い」にあり、でありながら自己主張の多さに呆れた…というのが実状らしいが、もの凄く気の弱い弁護士は
「やっと 昔の仕返しが出来て スッキリした」
と 涼しげに語っていた。
何が良くて 何が悪いのか… 論ずるのは難しいが、TV版「世界の中心で愛をさけぶ」でアキが言う
朔ちゃん、何かを失うことは 何かを得ることだって判る?
もの凄く気の弱い弁護士にとって 当時の恋心が片想いで終わった事は 結果的に 彼にとっては幸せな事だったのであろう…
TV版「世界の中心で愛をさけぶ」での 数々のシ-ンや台詞には 本当に含蓄が多いものだと実に思う。^^;
もの凄く気の弱い弁護士さん、腕力しか取り柄のない歯科医さん、
易者の様な診断しか下さない2代目開業医さん・・・
昔から役回りは変わっていないんですねw
まとめ役はブタネコさんですか?w
(ガキ大将ともいうww)
学生の頃の友人関係って 不思議とオッサンになっても
変わらないみたいですねぇ^^;
私の 昔からの役回りは「空気」です。
彼等のまわりを漂っているだけです^^