東郷隆という人の著作で かなり昔、「定吉七番シリ-ズ」として 角川書店で文庫化され絶版となり いつの間にか講談社から再販された本がある(講談社も絶版という噂が…^^)
第一巻『定吉七は丁稚の番号』(『007は殺しの番号』)
第二巻『ロッポンギから愛をこめて』(『007ロシアから愛をこめて』)
第三巻『角のロワイヤル』(『007カジノ・ロワイヤル』)
第四巻『ゴールドういろう』(『007ゴールドフィンガー』)
第五巻『太閤殿下の定吉七番』(『女王陛下の007』)
画像は角川版 第二巻『ロッポンギから愛をこめて』の表紙です。
タイトルを見て ピンと来る人は多いと思うが、007で有名なジェ-ムス・ボンドの映画シリ-ズのパロディである。
主人公は『丼池繊維振興会事務局連絡二課渉外係長補佐見習い』という肩書きが表向きの顔だが、実は『大阪商工会議所秘密会所』直属の『殺人許可証を持つ丁稚』定吉七番なのである。
"全ての関西人の食卓に納豆を!!"をスローガンにして 東日本から関西系企業を駆逐する為に暗躍する謎の関東系秘密結社『NATTO』(「NATO」のパクリ?)等 関西文化圏を破壊しようとする数多の団体を撲滅するのが 彼の任務。
と言うのが 物語の基本である。
「千葉の人たち、自分のこと絶対田舎者と思わない。これ、イングランドに住むウエールズ人と同じ性格ね。
だからこの人たち、ロンドンでウエールズ人がアイルランド人差別をするように埼玉の人を差別する。
でも、湘南来ると神奈川の人に差別される。
メイヨー、これ千葉人たち不当だと思ってる。
なにしろ横須賀線、今は成田まで通ってるからね」
以上、第一巻『定吉七は丁稚の番号』から抜粋
「・・・・・で? おみゃあたち、出身校どこだぁ」「わし、ミャー大だ」
「僕もミャー大」
「ほうか、奇遇だにゃ。 俺もミャー大だがね」
「ぐーぜんだがや。 わしもミャー大でよ」
「もう一度各自大学(でやーがく)の正式名を言うてちょー」
「わし、三重大学だあ」
「僕、東京の明治大学」
「俺、宮崎大学」
「何だ? わしだけが名古屋大学かあ」
つまり、みえ大、めい大、みや大、めえ大なのである。
定吉は、やっと彼らの会話が理解できた。 まるで猫語だ。
以上、第四巻『ゴールドういろう』から抜粋
ジェ-ムス・ボンドの映画シリ-ズの初期の作品を観た人ならば より一層、この本の面白さが判ると思う。
何故、私が この本を知っているかと言うと 以前、このブログで
というタイトルで述べた文章の中に出てくる 某ソフト会社が社運を賭けて 結局。致命傷となったPCエンジンの断末魔に 起死回生の夢を描いて作成したゲ-ムソフトの原作に使用したのが この「定吉七番」シリ-ズだったのだが、原作の面白さを全く生かし切れず 大ゴケしたからだ。
もし、古本屋で このシリ-ズを目にしたならば迷わず買い求める事をお奨めする。
1980年代後半の世相に乗った風刺の効いた世界を満喫できるはずである。