2005年09月23日

●八つ墓村


冒頭にて 少々、お断りを申し上げておきたい。

それは、今回は ちょっと思うところがあり、「八つ墓村」に関して 東宝と松竹が制作した作品を比較してみたいと思う。

その為、若干のネタバレが 記事に含まれる事を どうかお許し願いたい。




と言うわけで、今回の趣向は


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1977年に松竹が野村芳太郎を監督に制作した物と、


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1996年に東宝が市川崑を監督に制作した物を


比較してみたいと思うのだ。


と言うのは 1977年と言えば 角川映画全盛の時期で 「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」「獄門島」と 東宝-市川崑-石坂金田一というラインで 次々と横溝作品が映画化され、しかも 初めて原作に忠実な金田一像による作品でもあり、好評だった折でもあり 横溝ファンの間では とかく論議を呼んだのが 松竹版「八つ墓村」だったのだ。


ファンの多くは それまでの


【東宝-石坂:金田一】

この姿に 原作通りの金田一像を見て良しとし、


【松竹-渥美:金田一】

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この姿に 原作のイメージとは違う…として 松竹版を批判する声が多かった。


何故、1977年頃の横溝ブームの渦中において「八つ墓村」と「本陣殺人事件」が 東宝で制作されなかったのか? こういう言い方をすると 横溝先生に対して失礼とは思うが、横溝ブームの到来を予想できずに 映画化権を渡していたからなのであろうか…^^;


「たたりじゃ~ 八つ墓明神のたたりじゃ~」


1977年の松竹版が封切られる時に流れたCMのキャッチ・コピーを覚えておられる方も多いであろう。^^


ゆえに、1996年に 東宝-市川崑が

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豊川悦司の金田一で制作した「八つ墓村」には 封切り前に大きな期待を寄せ、豊川金田一は 決して悪くなかった。



ただね、この松竹版「八つ墓村」を高く評価するファンも 割と多く存在する。


その理由として挙げられるのは


「原作は 田治見辰也の視点で記述されており、この物語の主役は辰也であって 金田一では無い、だから、金田一云々で この作品の評価を変えるのは間違いだ」


という意見がある。


たしかに、原作の視点は辰也である。


【東宝-市川-豊川:金田一】

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(高橋和也)


【松竹-野村-渥美:金田一】

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(萩原健一)


これは 他の横溝作品を読むと判るのだが、金田一シリーズは 常に、金田一耕助の視点で記述されている訳では無い。


むしろ、金田一以外の 第三者視点であったり、金田一から話の顛末を聞いた…と称する作家先生の視点による記述だったりするのだ。


従って、「田治見辰也」の視点で描いた「八つ墓村」…と考えると 磯川警部や金田一耕助に重きを置かなかった 松竹版(野村芳太郎)の描き方もアリではあろう。


ゆえに、「八つ墓村」という一つの作品だけを愛するか、「金田一シリーズ」を愛するかの スタンスの違いであって 根本となる部分は大きく変わらないのが 横溝ファンの共通でもあるわけだが、それとは別に、そんな横溝ファンとは 全く関係の無い 映画ファン…という存在もあり、その方々の感想も別にある。


故に、私のスタンスは?と言えば 横溝ファンであり、金田一ファンである以上 松竹版の渥美:金田一は許容する事が出来ないし、何よりも 納得いかないのは 松竹版の場合、犯人の動機が私利私欲とされている点にある。


これは 原作に準じた東宝版の方を…と 言いたいところだが、東宝版も なんか表現が弱く 物足りない^^;


【註記】

私は「男はつらいよ」の大ファンである事を書き添えておきます。

基本的に「渥美清」は大好きなのです。


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さすがに松竹だけあって こんなシーンを見ると


「お、オイチャンと寅さんだ」


と、ついつい嬉しくなるのだが…


でも、この「渥美:金田一」だけは どうしても馴染めない^^;


この松竹版「八つ墓村」では 東宝版に比べて 実に良い役者を(チョイ役を含めて)使っており、部分的には 実に秀逸なシーンが多いという事は素直に認めたい。


たとえば、ある意味 物語の根本となる主役とも言える 尼子の落ち武者


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田中邦衛じゃん^^


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「ゲンちゃん」こと佐藤蛾次郎じゃん ^^


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黒沢映画ばりの落武者で…


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夏八木勲の 見事な生首っぷり^^


それに対して 東宝版は この落武者が村人達から襲われるシーンは 実にアッサリとしており…


名場面のひとつである


「祟ってやる」


と、落武者が言い遺すシーンは


【東宝-市川-豊川:金田一】版だと

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(役者は 今井雅之)


それに対して


【松竹-野村-渥美:金田一】版では

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(役者は 夏八木勲)




そして もう1人の主役「田治見要蔵」については


【東宝-市川-豊川:金田一】

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(役者は 岸辺一徳)


これも なかなか悪くは無いのだが…


【松竹-野村-渥美:金田一】

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桜吹雪の中を迫ってきて…


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(役者は 山崎努)


どうも、松竹版は 歌舞伎役者みたいなメイクをしたがるのが 非常に気になる。^^;



部分的に対照的なのは「たたりじゃ~」と騒ぐ「濃茶の尼」で


【東宝-市川-豊川:金田一】

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【松竹-野村-渥美:金田一】

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と言う風に ここでは 東宝の方が濃い^^




で、最も対照的なのは 「美弥子」である。


【東宝-市川-豊川:金田一】

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(浅野ゆう子)


【松竹-野村-渥美:金田一】

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(小川真由美)


松竹版「八つ墓村」を語る時、賛否両論となるのが、小川真由美の演技(演出)である。


先にも述べた様に 松竹版では多治見辰也の視点で描いた…というスタンスが強いのだが、実際に、松竹版「八つ墓村」を見た後、


「この映画の主役って誰?」


それを思う時、素直に 萩原健一が演じた「多治見辰也」

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を思い浮かべる人は何人いるだろう?


主役がどうこう…って言うよりも 小川真由美が演じた

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美弥子が 洞窟の中を駆け回る姿の印象が強すぎて 

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それが松竹版「八つ墓村」の全てとさえなってしまってなかろうか。


私は原作の「八つ墓村」を思う時、この 洞窟内のシーンが ホラーみたいな描写になるのは大いにアリだと思っているが、松竹版の様な美也子は やり過ぎで興醒め、しかしながら 東宝版の美也子は なんか大人しすぎる感があり、物足りない。^^;


また、尼子の落武者の祟り…と言う部分を そこが重要な伏線と思えばこそ 強調するのも大いにアリだと思うので この部分は 松竹版の落武者のシーンは大いに良かったと感じている。


東宝版においては、作品全体のトーンが 往年の石坂:金田一で見られたスケールの大きさが失われており 少々物足りなさを感じてしまったのは まさに、それらの辺りからである。


しかしながら、市川流の映像美は失われておらず、たとえば


小竹・小梅という 妖怪の様な双子の老婆


【東宝-市川-豊川:金田一】

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(岸田今日子 二役)


【松竹-野村-渥美:金田一】

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(左:不明 右:市原悦子)


これは 画像の画質の差という問題だけでは言い表す事の出来ない差だと思われる。


ま、いずれにせよ 惜しむらくは 市川版全盛時に この「八つ墓村」を石坂浩二で撮って欲しかった… それが私の気持ちである。


最期に…


【東宝-市川-豊川:金田一】版でみつけた 二つの画像を紹介しておく。


ひとつめは


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お馴染みの御約束シーンは ここでも健在だった^^


そして、

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この女優さんは 誰でしょう?








仲間由紀恵… そう思った方は 不正解。






正解は


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喜多嶋舞 です。


こうやって見ると よく似てるよねぇ^^



記述者:ブタネコ | 掲載日時:2005年09月23日 21:03 このエントリをlivedoorクリップに追加 このエントリーのlivedoorクリップ被リンク数 このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーのはてなブックマーク被リンク数
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コメント

今晩は。Jannitaでございます。
いつもながら素晴らしい分析、ビール片手に拝見しまして、感嘆しておるところでございます。
松竹版の落武者、凄まじかったですよね。(汗)
落武者狩りを主導したショウザエモンなる人物が発狂して自分で自分の首を切り落とすシーンがありましたが、あの刀を「ベロ~ン」と舐め上げるところは凄い印象に残ってます。(笑)
私は豊川金田一、結構好きなんですが、映画のもつオーラみたいなもんとしてはやはり松竹版の方に軍配をあげたいと思います。
オーラ強すぎて、時間の間隔を開けないと観ようという気になかなかなりませんが…。
私にとっては山崎努演ずる多治見要蔵ですべてが決まってしまっているように思えます。
それくらいこの役の彼は凄かった。
こんな人近所にいたらヤダもん。(笑)
これからも金田一記事、期待しています。
最近、古谷版の『金田一耕助シリーズ』をDVDで観なおしているんですが、『三つ首塔』なんか凄かったです。あの映像が。
あの『金粉ダンス』にはド肝を抜かれました。(笑)
金田一シリーズの警部役の人はみんな味のある人ばかりでしたが、長門勇の日和警部も結構好きなんですよね。可愛いくないですか?あの人。(笑)

コメント by Jannita | コメント受信日時 : 2005年09月23日 22:57

★ Jannita  さん

お楽しみ頂けましたでしょうか?^^

落武者のシーンは 松竹版に軍配を上げますね 私も^^

やっぱ あれぐらいやってもらわないと 怨念を感じない。

ゆえに、山崎:要蔵が 桜吹雪の中を迫ってくるシーンは
音楽の盛り上りも良くて圧巻です^^

それだけに 金田一:磯川 軽視の設定が私には惜しまれるのです。^^;

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2005年09月24日 17:34

 クラヒー!! ブタネコさん、おはようございます。突如始まった、連日の「懐かしの映画劇場」、楽しみにしています(笑)。

 『八つ墓村』松竹版、大好きな映画です。当時、中国地方のとある営業所にいたせいで、津山30人殺しを題材にした本作品と、島根の亀嵩(かめだけ)の独特な訛りを謎解きに使った『砂の器』には言い知れない親近感を抱いていました。松竹版の独特な雰囲気、たまりません! 原作ファンには多々ご不満はあるでしょうが(笑)、私は控えめな渥美清の金田一が特に好きです。渥美が登場するシーンには圧倒的な説得力があって、今でも胸がわくわくしますよ~。渥美=金田一をもっと見てみたかったなぁ・・・。ブタネコさんは「私利私欲が動機」とおっしゃってますが、ラスト、渥美=金田一は美也子自身も気づいていない「島根県広瀬町」に結び付く事実をあげて、尼子の復讐を匂わせる推理をしていますよね。謎を全て解明せずに、あそこで終わるところが私は気に入ってます。

FORREST

コメント by FORREST | コメント受信日時 : 2005年09月26日 05:07

★ FORREST さん

亀嵩(かめだけ)… 「砂の器」は私も 特別な思い入れがあります^^

>「島根県広瀬町」に結び付く事実をあげて、尼子の復讐を匂わせる推理をしていますよね

ええ、そうです。

しかしね、「八つ墓村」の犯人の動機は 尼子の怨念でも 自分の会社や
店の借金返済等 私利私欲でもない…(ネタバレになるので 詳細は書きたくありません)
そこが 一番、重要な点なんです。

だから、原作派:映像派(映像派でも 東宝派と松竹派 それにTV版派)
と別れるところでありますが、松竹版の映画は 部分的なパーツの
美しさや表現は大いに認めるところではありますが 全体を通した
作品としては 最も「原作を無視した作品」だと私は感じております。

ゆえに、単なる作品としての評価で語れば FORRESTさんの仰ることは御尤も、
そう申し上げますが 私の感じた事は記事の通りなのです^^;

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2005年09月26日 20:14

 クラヒー!! ブタネコさん、おはようございます。原作未読の私としては、映像世界だけで松竹版は見事に完結しているのですが(笑)、「最も原作を無視した作品」と知ってしまった以上、原作を読まないわけには行きませんね~。さっそく、トライします!!

 ところで、美也子を演じた小川真由美さんは「大人の女性」の魅力全開で、実に良かった~。最後の洞窟内のシーンは恐くて、恐くて・・・(笑)。尼子の落ち武者達が惨殺されるシーンとちょうど良いバランスになっていて、ますます怨念の強さを痛感させられます。美也子と辰也の追いかけっこが「動」とすれば、渥美=金田一が淡々と語る事件の背景が「静」。何度観ても、この同時進行は上手い演出だと思います。

FORREST

コメント by FORREST | コメント受信日時 : 2005年09月27日 06:56

★ FORREST さん

>最後の洞窟内のシーン

そこも 意見の分かれるところだと思います^^;

映像重視だと 静と動の対比による効果…なのは充分わかるんですが、
金田一耕助という人物は 切迫した状況の中で のんびり謎解きする
人物じゃ無いのです。

だから、納得できない理由にも なり得たりします。^^;

原作も読まず、金田一耕助なる人物も知らず、単に ミステリーっぽくて
サスペンスっぽくて、ホラーっぽい作品として見れば 松竹版は
良く出来ていると思います。^^

ただ、横溝マニアとしては 受け入れがたい…

そう申し上げたいだけです^^;

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2005年09月27日 19:52

こんちは。
戌年てことで、犬絡みで検索してめっけました。今更ですんません。
映画比較が細かくて面白かった。

金田一シリーズは、世にはびこるえーかっこしいとは一線を画すパタンなので、
たいしてドラマも映画も観ない私も楽しめました。

設定に配役と演出の大事なこと、改めて知りました。

コメント by 長野 | コメント受信日時 : 2006年01月07日 07:45

★ 長野 さん

はじめまして、コメントありがとうございます。^^

今後も よろしく御願い申し上げます。

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2006年01月07日 16:02

自分は市川・石坂作品のファン(犬神、手毬歌が特にイイ)なんですが、映画としての完成度を考えると、
「松竹版」の野村組の仕事は評価されてしかるべきだと思います。
野村組は原作を素材(脚本をタネホンと言い出したのは松竹大船が始まりのようです)として、
そのタネボンのさらにもとタネとして、原作を位置づけているのでしょうね。もちろんそこには
原作者の許諾が必要なのですが。
脚本の橋本さんの姿勢があるのだろうし、その素材をどういう映像芸術に創り上げるかが、
映画監督をはじめ、撮影、美術、音楽スタッフの手腕となるわけですもんね。そして出来上がった
作品が原作者をどう納得させ、観衆を魅了するか。
当時のオカルトホラーブームの商業的な意味もあり、ブタネコさんの指摘する通り、やや、やり過ぎの感も
確かにありますが、映画として、よく出来た映画だと思っています。
70年代の野村作品は、さすが山田洋次のお師匠さんと思わせる作品が少なくないと思いますね。

ただ、金田一、磯川軽視という部分では、同感なんだな。でもそれって、横溝原作ファン特有な感覚かも
しれませんね。もし松竹版でそういうディテールに触れたとしたら、おそらく上映時間が180分を越えた
ような気がします。それと、松竹版が戦後設定を当時の現代設定に変えた所で、必然的に
金田一耕助・磯川警部の描き方も変わってきたのかもしれませんね。
さらにお約束助演出演ポジションの渥美さんを金田一にもって来たわけですし。

コメント by WILL | コメント受信日時 : 2006年09月10日 12:42

続けてすみません。

横溝ブームは76年から始まっていて、松竹は八つ墓村の映画化権をその数年前から
持っていたそうですよね。嗅覚は松竹の方が上だったようです。しかし松竹は、シナリオ
ハンティング、ロケハン、撮影とかなり時間をかけますから、その対応、進行の遅さに
角川さんが切れて、先に東宝の「犬神家の一族」のgo サインを出したらしいです。

自分が「犬神」を見た時、最初に思ったのは、これサスペンス劇場で観たぞ、でした。
そうです。酒井和歌子さんの「蒼いけものたち」です。中山仁さんや沢村貞子さんが
出ていたやつ。閑話休題。

そもそも、角川春樹さんが、松竹ではなく、東宝に映画化権を渡していたら、まず最初に
東宝の「八つ墓村」ありきなんですよね。そうなると状況はけっこう変わったかもしれません。

東宝の市川版は、豊川さんの主演や上映時間設定を、かなり強硬に東宝側がプッシュした
末の作品と聞いています。

あの作品については、「俺本当は平ちゃんでさぁ。。。」という市川監督のため息が聞えてくる
ような作品だと、自分は感じています。だから石坂金田一の香りは確かにほのか残っていた。
でも正直言って、横溝作品の東宝版では、唯一再鑑賞する気にならない作品です。

コメント by WILL | コメント受信日時 : 2006年09月10日 14:46

★ WILL さん

>「松竹版」の野村組の仕事は評価されてしかるべきだと思います。

もし、私が横溝ヲタとして持論を持ってなければ ひとつの作品として面白い物と思えたとは 私も思っております。

渥美清も大好きな役者ですし、演技的に批判する気はサラサラありません。

しかしながら、私は 横溝正史のファンであります故に この松竹版「八つ墓村」を褒める気持ちにはなれません。

その気持ちには 野村芳太郎が どれだけ名監督と呼ばれていようとも 出来上がった映画に原作への愛着というか尊重のような姿勢が乏しく感じられるわけで であるがゆえに、野村芳太郎ごときが 横溝先生の原作に手をつけるなんぞ片腹痛い… って気分なんです。^^;

>ただ、金田一、磯川軽視という部分では、同感なんだな。でもそれって、横溝原作ファン特有な感覚かも
しれませんね。もし松竹版でそういうディテールに触れたとしたら、おそらく上映時間が180分を越えた
ような気がします。

ええ、尺の問題は たしかにあると思います。

で、私は この「八つ墓村」に限らず 映画の製作者に対して思うのですが、「尺の関係で どうしても こうせざるを得なかった」というのは 原作のある題材を映像化した際に 必ずついてまわる「言い訳」なんですよね

私は むしろ、そんなに尺に収めきれないなら 中途半端に原作の世界を捻じ曲げるより、素直に2本に分けるなり「映画化できません」と白旗をあげろと言いたいです。

だって、無理矢理 原作を捻じ曲げて約2時間という尺に収めておきながら 「新たな解釈で巧みな演出」なんて自己陶酔してるのか さもなくば最初からデマ宣伝と自覚の上なのか判らないような事を言ってる事が腹立たしい。


>横溝ブームは76年から始まっていて、松竹は八つ墓村の映画化権をその数年前から
持っていたそうですよね。嗅覚は松竹の方が上だったようです。しかし松竹は、シナリオ
ハンティング、ロケハン、撮影とかなり時間をかけますから、その対応、進行の遅さに
角川さんが切れて、先に東宝の「犬神家の一族」のgo サインを出したらしいです。


私の聞いている話と大筋は同じなんですが 角川が切れて…の部分は 初耳なんで「へぇ…」と思いました。


>「蒼いけものたち」

ええ、私も見てました だって「酒井和歌子」好きなんだmon

ドラマの内容はグチャグチャでしたが^^


>豊川版「八つ墓村」

私は 豊川悦治も好きな役者だし、市川監督は 初めて原作の金田一や横溝ワールドを尊重した映像を作った監督なんで この作品は好意的に捉えてます

しかし、「病院坂の首縊りの家」で いったん終止符を打ち、横溝先生の最後の作品となった「悪霊島」ですら市川版を製作しなかったのですから あえて「八つ墓村」にはこだわらず、当時 他の最近映像化されていない「仮面舞踏会」や「迷路荘の惨劇」などを豊川で製作すれば良いのに…と思い ちょっと無理矢理製作した感が否めないのも正直なところです。

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2006年09月11日 17:30

このhp面白いです。好きな映画は砂の器です。頑張って下さい。

コメント by 本浦秀夫 | コメント受信日時 : 2006年11月28日 13:54

★ 本浦秀夫 さん

お褒めの御言葉ありがとうございます。^^

「砂の器」に関しましては

http://buta-neko.com/blog/archives/2006/05/post_844.html

という記事を書きました。

もし、お気づきでなければ御一読頂けますと幸いです。^^

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2006年11月29日 03:36

続けざまにすみません。

「八つ墓村」に関しては難しいところですね~。

当然、渥美金田一は許せません。しかし、原作を読んだ時の私の感想は、金田一がふらりと来ては事件の闇がはれていくという形、出ズッパリでない金田一が非常にイイと思ったのです。(出ズッパリとは違いますが、「百日紅の下で」も好きなんですよね~、服装も復員姿ですが。)

その点では、辰也を主役にすえている松竹版の基本的な設定は好きです。あと山崎努もいい。しかし、おっしゃる通り、その動機と最後のメイクはやりすぎの点、私もいただけないと思います。

市川版は・・・ん~、画は当然いいですよね。しかし、上記の通り、主役は辰也のほうが、そこは非常にこだわりがあるんです、上記のとおり、時たま顔をだす金田一がいい。ということは、つまり金田一ものとして映像化しずらい作品だと思うんですよね。

どっちをというと・・・、基本的な設定が違っても石坂浩二なら文句なしなんですが、でもやっぱり市川版ですかね。どっちかをいうと。

今日は何回も、本当にお邪魔いたしました。


コメント by イエローストーン | コメント受信日時 : 2007年01月06日 11:49

★ イエローストーン さん


>つまり金田一ものとして映像化しずらい作品だと思うんですよね。

それは言えると思います。

だから、松竹と東宝 どちらも甲乙つけ難くなってるのかもしれません。^^;

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年01月07日 06:33

ブタネコさん、こんばんは。
先日、何年かぶりに市川版「八つ墓村」を鑑賞しました。回数的には3回目かな。実は市川+石坂版と違いこちらはほとんどみていないのです。

いつものように原作の詳細はわすれているのですが、少し前に稲垣版をみなおして、けっこうよかったと思っていたので、この市川版に関しては画は当然いいものがありますが、久しぶりにじっくり鑑賞して、話的にはちょっとさびしい内容ですね。
辰也を主役にしていないのでしようがないですが、クジ殺人もなく(これでは美也子の小梅、小竹の見分けがつかないとのセリフが生きません)、鍾乳洞が全くいきてませんし、辰也の名前の意味も・・・。

製作の際、時間的な制約もうけ、苦心の本だったのかもしれませんが。
それとトヨエツにもあの早口がどうも・・・。それと最後の小室等の歌、あれは個人的に非常に違和感を感じます。
久しぶりに見直して、まぁ、先述のとおり稲垣版を見ていた後なので余計ですが、美也子の愛は深くかんじましたが、なんかとても物足りなさで心が一杯になりました。

コメント by イエローストーン | コメント受信日時 : 2007年02月16日 18:39

★ イエローストーン さん

どうせなら、松竹版も御覧になった感想も伺ってみたいなぁ^^

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年02月18日 03:58

ブタネコさん、こんばんは。

松竹版も、久しく鑑てないですね。あの、どうもやはりあの渥美金田一がねぇ・・・。
鑑賞するまでもう少しお時間下さい。

コメント by イエローストーン | コメント受信日時 : 2007年02月25日 17:46

★ イエローストーン さん

ええ、もちろん 急いで見る必要はありません^^

横溝正史は のんびり、まったり楽しむべき作品ですからね^^

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年02月26日 05:05
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