フジTV系、金曜エンタテイメント特別企画「女王蜂」を観た。
先日、『女王蜂』という昔の角川映画について語った記事の中で
個人的には 稲垣の金田一は可もなく不可もなく…といった感で無難なセンだと思っているのだが、今回 特に注目したいのは ヒロインの栗山千明と 3作目に「女王蜂」を選択した そのチョイスである。
と今回の作品について触れた訳だが…
稲垣の金田一は なかなか悪くなかった様に感じたが、それ以上に「横溝正史」役の小日向文世が 妙にハマっていて気持ち良かった。
時代や状況の設定の関係も大事にされており、会話の喋り方の端々に昔ながらの文語調が混じっていたのも 最近の作品の中では、珍しく嬉しい。
そして、特に注目していた
ヒロインの栗山千明は なかなか妖艶さを感じさせ、最近の若手女優の中では希有な特徴と存在感があり、
他の横溝作品に登場するヒロイン達、「犬神家の一族」の珠世、「獄門島」の早苗、「悪魔の手毬唄」では千恵か里子、その辺を演じても
なんかハマる様な気さえする。
なんとなくなんだが、この稲垣:金田一によるシリーズは今後も制作されるような気がするし、私としては個人的に歓迎したいと思っているが、もし、新作を作るなら 願わくば
「迷路荘の惨劇」、「仮面舞踏会」、「白と黒」
この三作あたりのいずれかをドラマ化して欲しいと切に願ってみたりする。^^
と言うのも 今回のドラマのラスト近くで
というシーンがあったのだが、こういう画は 横溝ファンの私には実に嬉しい演出として受け止める事が出来、勝手ながら この作品の制作者にも横溝フリークの匂いを感じ、好感を抱いたからだ。^^
ゆえに、出来るだけ原作の雰囲気を活かした「仮面舞踏会」あたりが 一番、観たいと願う次第だ。
私が稲垣・金田一をきちんと観た初めての作品でしたが、だいたい想像していた通りで悪くはないなと思いました。
しかしながら作品全体としては、正直申しまして、私にはどうもいただけませんでした。
冒頭からいきなり「横溝正史」が出てきたところからしてもうダメでした。小日向文世が感じよく演じていたのが救いと言えば救いでしたが。
栗山千明という女優さんは、実はまったく知らなくてこの作品で初めて観たのですが、華のある人ですね。
けれどあの現代的な華やかさと髪型は、智子のイメージにはどうもミスマッチだったように思います(鹿鳴館時代ならピッタリだなと思いました)。
都会的なセンスが光る女性だと感じましたので、他の横溝作品のヒロインとしてなら島や村が舞台となった事件よりは、都会の事件のほうが合うのではないかと思いました。
個人的には、金田一物ではないけれど たとえば『仮面劇場』の綾子あたりとか(決して同じ大道寺だからというわけではありません^^;)。ああそうだ、『白と黒』もいいかもしれません。
ラストの海と船の映像は良かったですね。まさに“横溝・金田一の画”だと思いました。
ああいった雰囲気を大事にしてもらえると、ファンとしても嬉しいですね。
★ HAZUKI さん
>しかしながら作品全体としては、正直申しまして、私にはどうもいただけませんでした。
なるほど^^ HAZUKIさんは そう感じられましたか^^
どうやら、この作品 世間でも賛否が分かれている様で…^^;
確かに、BGMや効果音の使い方で「あれ? なんか違う」と思った部分もあり 否定的意見を否定する気にもなれないのが正直なところですが…^^;
いずれにせよ 私は こう思うのです。
私は原作が とても面白かったと感じているし、他の作家の作品ならともかく 横溝に関しては拘りたいと思っております。
ゆえに、横溝作品を映像化するにあたっては その原作のモチーフ等に対して 少なからず配慮すべきで その上で、もし映像化に際して どうしても原作とは違う設定や表現を用いなければならないのであれば それは安易な手法では無く、考え抜いた上で充分に説得力を備えて欲しい…という風に願っております。
なので、そういう観点から 今回のは可ではあった… しかし、絶賛する程でも無かった^^;
試験で言えば 赤点ギリギリの及第点より ちょっと上 そんな感じに受け止めました。^^
ちと話を変えますと 実は 古谷版金田一のシリーズも 実は 私は今回の稲垣版と同じぐらいの評価なのです。
理由は TVシリーズと言う事もあって どうしても低予算によるスケール感の乏しさが 時に寂しく感じてしまったから。
原作を限りなく尊重する制作姿勢は理解出来るし それに関しては充分に好感も抱いてますが…
ただ、いずれにしろ 最低限のティストを維持した上での 映像化された横溝作品を観るのは いつもそれなりに楽しめるし、ありがたいとも思っているのではありますが。
金田一物ではない横溝作品と言えば 私は「蝶々殺人事件」が観たいなぁ…^^
>横溝作品を映像化するにあたっては その原作のモチーフ等に対して 少なからず配慮すべきで その上で、もし映像化に際して どうしても原作とは違う設定や表現を用いなければならないのであれば それは安易な手法では無く、考え抜いた上で充分に説得力を備えて欲しい…という風に願っております。
よくわかります。たとえば「横溝正史」の登場や、私にはいただけなかった智子のヘアスタイルも、この稲垣版では、その作品の全体像を俯瞰してみると、決して無理があったわけではなく、ミスマッチでもなかったように思います。
なので、これが「現代版」なのだなと。
今TVで金田一を撮ると、こういう風になるのだなと、そんな思いを抱きました。
そして、こういう風にしかならないのかな、と思うと、残念でもあります。
古谷版については、あまり記憶が残っていないのでどうこう言える立場ではないのですが、やはり時代というものでしょうか、しっとり感があったように思います。
これはあくまで今回の稲垣版との比較だけで言うのですが、稲垣版はどうも私にはケバケバしく、良く言えば色がきれいすぎで、落ち着かない感じがしました。
哀愁や情緒というものを鮮明な色遣いで見せるには、いろんなところでかなりの工夫が必要と思われます。
もちろん古谷版も当時は新しくて、ドクドクしいなと思わせるタッチが使われていたのだと思いますし、今よりわざとらしさを感じさせる演出もあったかもしれません。
それでも画面に漂っている空気は、稲垣版よりは はるかに穏やかで落ち着いていたように思うのです。
たとえ原作に忠実ではなくても、うまく言えませんが、横溝正史と同じ空気を吸っているような、そんな原作者とのタイアップ的な匂いや雰囲気が味わえたように思うのです。
私は別段懐古趣味があるわけではなく、古き良き時代がいつも良かったわけではないし、明日だってきっと悪くはないと考える者ではありますが、今の時代に横溝作品を撮るのはかなりムズカシイのではないかと思えてなりません。
ことにTVシリーズとなると、おっしゃるとおり予算の関係なんかもあるでしょうし、視聴率競争もあるでしょうし。
原作を知らない人にどこまでアピールできるか、それにはどうすればいいか、横溝の金田一を若者に迎合することなく老若男女に愉しんでもらうには・・・
派手なセットや映像美で取り込むしかなくなってきているのかなあ、と、ふとそんなことを思ったりもしました。
★ HAZUKI さん
>今TVで金田一を撮ると、こういう風になるのだなと、そんな思いを抱きました。
>そして、こういう風にしかならないのかな、と思うと、残念でもあります。
そうですね、そこが最も哀しいところですよね。
携帯電話が当たり前の世の中で、峠道を婆さんが歩いて越えたり、いっきに32人の村人が殺されたりはしないだろうし…^^;
DNA鑑定を用いれば 犬神家や鬼首村の事件はアッと言う間に解決しただろうし…
>古谷版については、あまり記憶が残っていないので…
実は、せっかくだから 古谷版も語ろうかな…と思ったのですが、たまたま入手した「八つ墓村」を見たところ、多治見要蔵をジョニー大倉が演じているのですが、女物の着物を見に纏って 前をはだけた状態で村人を殺しまくるシーンは あらためて今見ると 喜劇にしか見えません(ToT)
なので、語る気力が萎えました^^;
たしかに、エンディングの音楽と言い、否かの風景と言い 背景は昔ながらの寒村で けっして悪くはありませんが…
将来的な事を考えると おそらく原作の雰囲気を 読者がそのまま味わえる事も かなり難しくなっている様な気がします。
それだけに、なんとかならないものかと願うばかりです。^^;