2007年04月05日

●幸福のスイッチ


最近、映画の悪口ばかりを述べ続けているブタネコだが、悪いけど この作品はベタ誉めさせて頂く。^^;




先日、このブログの記事で『海と夕陽と彼女の涙』を語ったのだが、その際に「何故、舞台が和歌山県の田辺なのか?」という点について触れ、苦言を述べた。


「和歌山県田辺市」が舞台なのがダメなんじゃ無い。


「和歌山県田辺市」を舞台にしたなら その意味をハッキリと表せ…という意味での苦言である。


で、今回DVDを入手して見た


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「幸福のスイッチ」も「和歌山県田辺市」が舞台である。


この地は映画製作に熱心な土地なんだな… それはそれで良い事だと思うが、ブタネコ的には「海と夕陽と彼女の涙」の件があるから 関係無い事ではあるが、どうしてもハードルを上げた見方になってしまっていたのは否めない。^^;


で、見終えた感想を述べると…




まず、感じた事は


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主演の「上野樹里」が とてつも無く素晴らしい…という事。


この娘は 本当に演技が巧い、と言うか、作品から求められる人物像に入り込むのが同年代の女優の中でもズバ抜けて巧い事が痛感させられた。


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「上野樹里」の演じた主人公は 映画冒頭から ずっと、何かに不満を抱き ともすれば、常にイライラしている女の子である。


その演技の巧さに 見ている私もイライラさせられるのだが、それが不快感に至らず見続けられ、むしろ 引き込まれてしまうのは脚本や演出・構成の巧さも大きな理由だが、年頃の娘を二人もつ父親として その年代の娘達がたまに見せる仕草や表情であり、リアル感が高いからだ。

(と言っても、ウチの娘達が いつもイライラしてわけではない。^^;)


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主人公は田舎町の電気屋一家の3姉妹の次女(姉は”本上まなみ” 妹は”中村静香”)


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母は既に亡くなり、父親(沢田研二)は外面ばかりが良い電気屋の親父だが アンテナ修理の際に屋根から落ちて大怪我を負う。


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主人公は その頃、東京でイラストレーターになりたてだが、営業(田中要次)とトラブり会社を辞めてしまったばかり…


で、父親の怪我が回復するまで実家に戻り、電気屋を手伝う…というのが冒頭の設定。


仕事もうまくいかず、父親にも不満を抱き… でも、姉妹との仲は良く、主人公自身も ひねくれ気味ではあるが、性根は良い娘なんだなと 冒頭で そういう主人公像を巧みに観客に理解させる構成は自然で むしろ、巧いとすら思う。


そんな主人公が

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いろんなエピソードの末に


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初めて、実に良い笑顔を見せるに至る流れは 見ている私も清々しい気持ちになり、とても良かった。


下手な映画なら この主人公が笑ったところでエンディング…なんて構成でおわるのだろうけど、この映画が 素晴らしいと感じたのは、そこからさらに もう一捻り加えた部分にある。


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落雷により家電品が壊れる… 


都会じゃ判らないかもしれないが、これは田舎町ではよくある光景で けっして「田辺だから」と言うつもりは無いが、こういうシーンを自然に受け入れられるのも田辺の様な町が舞台ならではの事であり、そんな舞台設定を巧く利用しつつ…


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客に横暴な事を言われ


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怒る主人公だが、


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親父なりの生き方を知り、理解していく…


そんな構成は 年頃の娘を持つ私には 深く胸に沁みる。


これは、娘達に強制してでも見せなきゃならない映画だな 実に良い。




さて…


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「沢田研二」の演じた親父が 実に渋い。


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「本上まなみ」の演じた姉も なかなか良い。


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しかしながら、一番目を惹かれたのは妹役の「中村静香」


この娘の明るさは 実に良い。


でもね、一番 良い仕事をして見せたのは


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このババァ^^


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ところどころに挿入された風景も 実に良く。


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北海道じゃ見る事の出来ない蜜柑畑…


御当地映画ならではの画も秀逸だ。^^


で、最後に 一言、付け加えると…


この映画の本当の良さは「田舎」を知ってる者じゃないと理解するのは無理だね。


でも、一番理解出来ないのは 田舎者のクセに都会で過ごしている…ってだけで都会人ぶってる連中だろうな。^^


そして、都会に住んでいても「自分は田舎者だ」と ちゃんと認識している者には、魂を揺さぶられるか、とっても清々しい気持ちになれる素晴らしい映画だと感じると思うよ。^^



記述者:ブタネコ | 掲載日時:2007年04月05日 00:15 このエントリをlivedoorクリップに追加 このエントリーのlivedoorクリップ被リンク数 このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリーのはてなブックマーク被リンク数
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コメント

いやあ、ホント観ていただいて嬉しゅうございます。
この映画母娘で一緒に観に行ったんですよ。
帰りに食べたイタリア料理が余計美味しく感じるほどいい映画でした。
主人公の怜がストレスがたまると顔におできが出来るシーンに共感してしまいます。

ちなみにババァは新屋英子さんと言って、『ジョゼと虎と魚たち』でジョゼ(池脇千鶴)の祖母役を演じた方です。

コメント by 龍女 | コメント受信日時 : 2007年04月05日 01:40

★ 龍女 さん

へぇ、あのババァだったんですか そりゃ気づかなかった。^^

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年04月05日 03:06

>この娘は 本当に演技が巧い、と言うか、作品から求められる人物像に入り込むのが同年代の女優の中でもズバ抜けて巧い事が痛感させられた。

最初のセーラー服の画像2枚なんかは言われても上野樹里だとは信じられない。
それは単に髪型が違うとかいう問題じゃないんだろうな。

>この映画の本当の良さは「田舎」を知ってる者じゃないと理解するのは無理だね

あ、じゃあ大丈夫だ、オレ。

コメント by うごるあ | コメント受信日時 : 2007年04月05日 03:55

今度借りて観ます、ありがとうございました。

私も、北じゃないけれど田舎は知ってまっす。

コメント by yosh | コメント受信日時 : 2007年04月05日 12:25

★ うごるあ さん

>最初のセーラー服の画像2枚なんかは言われても上野樹里だとは信じられない。
>それは単に髪型が違うとかいう問題じゃないんだろうな。

そうそう 見た目で違う…って意味だけじゃ無いのです

「のだめ」でも「スウィングガールズ」でもない「幸福のスイッチ」の主人公のキャラが そこにいる。

全身から発する雰囲気がまるで違う… その切り替えに女優を感じゾクゾクしました。^^

>あ、じゃあ大丈夫だ、オレ

ビバ! 田舎者^^


★ yosh さん

御参考になれば 幸いです。^^

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年04月05日 16:44

田舎者&蜜柑好き&上野樹里ファンとしては必ず見ます。
映像もきれいですね。

コメント by オカダ | コメント受信日時 : 2007年04月05日 17:30

ブタネコさんこんばんは。
上野樹里ファンの私は、ブタネコさんに褒められて我が事のように嬉しいです。(笑)
私は映画館で観ましたが、やはり上野樹里が出演した「虹の女神」も同じ日に見ました。
そっちのDVDの発売はもう少し先ですが、ブタネコさん好物の蒼井優が妹役で出てますので、またレビューしていただけると期待しています。

コメント by あらん | コメント受信日時 : 2007年04月05日 19:51

★ オカダ さん

御感想を お待ちしております。^^


★ あらん さん

「虹の女神」につきましては なんとも言えません。^^;

あまり、期待しないで下さいね

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年04月06日 04:08

ブタネコさん、はじめまして。
上野樹里ファンの政権交代と申します。
ベタですが、「のだめ」で彼女に興味を持ち、他の作品と見比べて演技の幅広さにたまげてファンになりました。

『幸福のスイッチ』は池袋の新文芸坐の特集上映で観て、
そのあとDVDでも見ました。
僕は関西人なので、関西の雰囲気はよくわかります。
「ジャンやて、きっしょー!」は、関西人が標準語を聞いた時に必ずする反応です。
また、実家に昔、馴染みの電気屋さんが出入りしていたので、
この映画の設定自体に、とても共感を持って見ることができました。
妻が「20年前の映画を見ているみたい」と言っていましたが、
そういう古き良き時代の雰囲気があって、いい作品だと思います。

上野さんの演技は、僕は勝手に「不機嫌系」と呼んでいますが、
『スウィング・ガールズ』『のだめ』の「コメディ系」、
『ジョゼ』『虹の女神』の等身大系に対して、
『スロット』の不機嫌な演技に、関西弁(彼女も関西人なので)を加えた感じではないか、と思います。
もちろん、無理矢理分類すれば、ですが。

また覗きますので、これからもよろしくお願いします。

コメント by 政権交代 | コメント受信日時 : 2007年04月07日 01:59

★ 政権交代 さん

はじめまして コメントありがとうございます。^^

こちらこそ、今後も よろしく御願い申し上げます。

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年04月07日 03:35

ブタネコさんがベタ褒めの作品ならぜひと、レンタルして来ました。

沢田さん演じる父親は、お調子者にみえて誠実な仕事ぶりや娘たちへの思い、男の辛さ悲しさもあって
私には歌手の印象が強い方でしたが、すばらしい役者ぶりに驚きです。

前半、体調が良くないのに無理する気苦労の多い長女や不機嫌でイライラする次女に、私までキーとなりそうでしたが、三女の突き抜けた明るさと素直さで随分救われました。

最後に心がほんわり暖かくなる作品って元気をもらえますね。
お薦めされなければきっと出会わなかったでしょう。観てよかった。

コメント by satomin | コメント受信日時 : 2007年04月10日 23:28

★ satomin さん

「沢田研二」の親父役ですと「大阪物語」なんてのも良かったですよ。^^

たしかに、前半のイライラ感は否めませんが 終わってみれば「成る程ナァ…」と感じ、私は この映画が秀逸だと思った次第です。^^

コメント by ブタネコ | コメント受信日時 : 2007年04月11日 06:12
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