2007年05月08日

●刑事のF


今回 述べようと思っているFさんの話は さすがに記事として掲示すべきか否か迷った。^^;




が、20年以上前の話で 関係者の殆どが他界している事もあり、2次的に迷惑がかかる可能性は薄いと考えたので述べてみる事にする。




喫茶「職安」の常連に刑事のFという人がいた。


このFさんは 他の常連達の様に喫茶「職安」のママがホステスだった時の客では無い。


元々は 常連の一人の幼馴染みであり、親友で その流れから仕事上、他の常連さん達と懇意になった人である。


いつも穏やかな笑顔で口数は少なく、時折 喫茶「職安」に表れても 片隅のボックス席で新聞を広げ ランチの定食弁当を食べ、その後 他の顔馴染み達と将棋をさしながら雑談を交わす人。


私達、バイト学生はもちろん 喫茶「職安」の常連達の殆どが そのFさんが刑事だと知らず、どこかの会社のうだつの上がらないサラリーマンだろう…なんて勝手に思い込んでいた。


だから、その正体を当初から知っていたのは ごく数人に限られており、私が知ったのは 屯田兵の御隠居が日の丸の一件で若者を殴り倒し、とある警察署に留置された際に 最初、O弁護士と共に弁当を差し入れに行った時の事。


Fさんは実はベテラン刑事として人望が篤く その手配で、本来であれば接見室でガラス越しの面会が原則なのに 取調室でコソッと面会させてくれて 御隠居が弁当を食べている間、雑談をさせてくれたからなのだ。


それには 多くの関係者が(実は被害者も)御隠居が詫びの言葉を言って示談で解決を望んでいたにも関わらず、御隠居が「絶対に譲らん!」と言い張った為に なんとか懐柔したいという意味もあったのだが…^^;


そんな時、たまたま その警察署内でFさんと出会い、Fさんが刑事だという事を初めて私は知ったのだ。


それまで、いくら知らぬ事とはいえ、Fさんの前でタバコを吸って(高校生なのに^^;)いた私は とても気まずく^^; それを Fさんに言ったところ


「オマエ達がバイトで稼いだ金で買ったタバコだろ?

 親から貰った小遣いで買ったタバコなら補導するけど

 オマエ達は ちゃんと汗水垂らして働いてるからな」


と言って、見ないフリをしてくれる代わりに


「いいか、極力 俺が刑事だって事を オマエの友人達(バイト学生)や

 店の常連達には内緒にしておいてくれよ


 俺は、別に あの店の常連達を捕まえようなんて気は無いんだ。


 むしろ、あの店の雰囲気が好きだし…、

 あそこでコーヒー飲むのがホッとくつろげる数少ない時間なんだ」


だから、私は その約束を守り 数年後、ある事がキッカケでバレるまで 私は親友である二代目開業医や気の弱い弁護士にですら その事を話さなかった。


だが、正体を知ってしまった以上 好奇心旺盛である私は Fさんと二人きりで話が出きる機会に恵まれると コソッと刑事の苦労話や経験談を聞かせて貰ったわけで その時の話もまた、後年 とても参考になるほどありがたい話だった。




さて、詐欺師と呼ばれる人間がいる。


簡単に言えば 誰かを騙して金品を取る人間の事である。


数年前から「俺々詐欺」が濫発したのは記憶に新しいところだが、家族になりすまして金を振り込ませて奪う詐欺。


こういった手口の詐欺に共通して言える事は 人間心理を巧く悪用している点。


で、詐欺という犯罪は 刑法において裁かれる場合、他の犯罪に対して比較的量刑が重いのだが、同時に 他の犯罪よりも立件するのが難しい…とされている。


何故か?と言えば… 


A.基本的に知能犯と呼ばれる犯罪の加害者は 当初から計画的に犯罪を行うため
  立件するための証拠が乏しい…という事。


B.と、同時に 被害者側にも問題や責任があり、刑事事件では無く、民事事件と
  判断される事が少なく無く、「民事不介入」というタテマエにより警察が受理
  しない事が多い…という事


C.そして、なんらかの理由により、被害者が加害者を訴えない事や 訴えても、
  途中で訴えを取り下げてしまう事が多いから。


Fさんは 知能犯捜査のスペシャリストで その刑事人生の殆どを詐欺師相手に過ごした人だった。


そんなFさんから聞いた話をする前に…


例えば、学生AとBの二人が学校からの帰り道にコンビニに立ち寄ったとする。


その時に、学生AがBに


「悪い、缶コーヒー飲みたいんだけど金が無くてよ 明日返すから100円貸して?」


とBから100円借りておきながら 翌日に返さない…


そんな話は 誰にも経験のある話だと思う。^^;


Bじたいが 金額が100円だから忘れてしまった…という事も よくある話。


で、ここで重要な点は


Aは 本当に翌日返すつもりだったのだが「返すのを忘れた」のか?


それとも「最初から返す気など無かった」のか?


という点。


とりあえず、「金額が100円」という事は 棚に上げておく。


Bが返すのを忘れていた…という事であれば ある意味「単なる過失」って話にもなる。


しかし、「最初から返す気が無かった」となれば「計画的搾取」である。^^;


で、これをもし事件として立件しようとすると まず、AがBに 金を渡した事を証明しなければならない。


ところがね、もし その場を別の誰かが立ち会っていて その人物が証言するのならともかく、当事者だけの話だと 証明のしようが無い。


法律を学んだ人ならば「いやいや、口約束でも充分に”契約は成立する”」と言われるかもしれないが、それは机上論と言わざるを得ず、現実には「証明が難しい限り、立件は難しい」と判断されるケースが殆どだ。


で、仮に 目撃者Cが存在し、「AがBに100円貸した」と証明したならば立件される可能性は上がるが、次に問題となるのは


「Bは借りた金を返していない」


という状態であれば これは民事の問題であり、


「Bは Aから金を騙し取った」


という証明が出来無ければ 刑事事件として立件出来無い…という点。


実際は騙し取ったのであっても、Bが「いや、返すつもりは充分にあるんだけど 今は金が無いんです。 金が出来次第、直ぐに返しますから…」と主張すると 多くの司法関係者は「これは民事の問題だね」と判断する。


「Bは 直ぐに返せるだけの金を充分に持っている」


など、Bが嘘をついてる事が証明できれば ようやく刑事事件として立件できる可能性が生じるのだが…


ここで注意すべき点は AはBから金を返して欲しいのか? それとも、もはや金の問題では無く、犯罪者として立件したいのか?


そのどちらが重要なのかを明確にする事を要求される。


というのは、いざ、立件しようとしたり、立件した直後にBがAに金を払う事で告訴を取り下げるケースが多く、Aの方針が「金さえ返してくれれば」で その際にBには充分 返すだけの金を持っていると思われる場合、警察関係者の多くが 告訴が取り下げられる可能性が高いケースでは 警察の仕事として扱うには時間の無駄と判断して積極的には受理しない傾向が極めて強いからだ。


で、ちょっと、違う角度から考えてみよう。


人それぞれに事情や考え方、それに感覚が違う


100円を大金と考え、どうしても返して欲しいと願うか?と聞かれれば どうでも良いと答える人が少なく無いかもしれないが、1000円だったら? 1万円だったら? 10万、100万… 金額が上がれば話は変わってくるでしょ?


でも、人によって その判断が変わる金額が1000円なのか、1万円なのか、10万なのかは それぞれ違う。


という事は 金額によって「どうでも良い事」か、「いや犯罪だ」が変わるのだが、その境界線が明白では無い…という事。


と、同時に Aが知能的な確信犯だったとしたら


「ギリギリになったら金を返せば済む話」


と考えて 成り行き任せで放置すれば良い…という話にもすり替わる。


つまり、刑事事件として告訴するには 証拠の立証が難しく、示談の余地がある限り警察は介入したがらない。


民事事件として法的手段をとろうとすると 裁判費用(弁護士費用も含む)が最低でも数十万必要で 被害金額とのバランスも問題になる。


要するに、「5万、10万を取り戻すために 裁判費用に2・30万かけますか?」って事だ。


ゆえに、「寸借詐欺」とも言われる このてのトラブルは何時の時代にも少なく無いし 大抵の場合、被害者の泣き寝入りに終わる。


さて、前置きが長くなったが…


Fという刑事は、前述した様に 数十万の寸借詐欺にあった被害者の相談で 基本的には警察が「どうせ告訴を取り下げるんだろう」と判断し、取りあわない案件を積極的に対応し、加害者と目される相手を任意の事情聴取として警察に呼びだし、事情を聞く人だった。


Fさんが 何故、そうしたかと言うと 事情を聞いて「こいつは悪質だなぁ」と判断した相手に


「いずれにせよ、アナタが借りた金を返すか、

 貸した人がなんらかの納得をすれば事件にはならないけど、

 このままの状態が続くのであれば いずれは事件として捜査せにゃならんのだが…」


と、実際には捜査する気など無いのに ダメもとで「脅す」のである。


すると、大半の加害者が 被害者に対して返金したり、謝罪に現れる。


「万が一」捜査されて立件されるぐらいなら 先に示談にしておけ…と考えるからだ。


しかしながら、Fさんの この行動は警察内部では何の評価もされない。^^;


ゆえに、数え切れないぐらいほど案件を「解決」に導いたにも関わらず、「事件の解決」とは警察の内部的評価にはなされないので 結局、彼は上司や警察の組織内では目立った存在では無かったのだが、現場経験が豊富だった事から それが後に役立つ事になる。

(その話は 別の機会に^^)


そんなFさんが ある時、語ったのだが…



「詐欺師」って表現は「悪者」ってイメージだよな?


「詐欺師」にも大者、小者ってランク分けがあるとしたら そのランクってどういう基準だと思う?


騙し取った金額の多さ? それとも騙しのスケール?


違うんだよ、真の意味で凄い詐欺師ってのはな被害者を納得させる説得力なんだよ


それは、騙すために信用させるための「説得力」って意味じゃ無い。


騙されたと判った後で「こりゃ仕方無い」と被害者を納得させる「説得力」って意味だぞ



「騙すための説得力」ではなく「騙した後の説得力」


その言葉の意味にまつわる逸話は 次回に述べようと思う。



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●プロポーズ大作戦 第4話


「プロポーズ大作戦」第4話を見た。




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駄目だ…


また、泣かされた。(ToT)


この制作者 判ってるなぁ…


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そうなんだよ、体育会系は マネージャーを初めとする裏方に感謝するんだ。


参ったなぁ… 物凄く、せつないや。


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また、「長澤まさみ」に 貰い泣きだし…


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「榮倉奈々」を初めてカワイイと思った瞬間でもある。


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高校を卒業という事でセーラー服姿が見れなくなるのかと思うと それもせつない。


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ホント、良い表情を見せてくれる。^^




そして今回も…


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さりげないけど、「松重豊」のスパイスは効いている。^^




それと、どうでも良い事ではあるが…


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五人が揃って帰ろうとしたところへ 待っていた女


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何故か 最初、「綾瀬はるか」に見えた。^^;


よく見れば違うし、実際 クレジットを見たら「原史奈」なんだけど 何故か「綾瀬はるか」か?と 思ってしまった。


それは しばらく「綾瀬はるか」がクソ・ドラマに連続出演だったから こういうシットリと見れるドラマで見たいという 私の願望のせいかもしれないな…^^;




さて、「プロポーズ大作戦」第4話のメインテーマは「学生服の第2ボタン」


懐かしいなぁ… って言いたいところだが、私と嫁が通っていた高校は私服で制服じゃ無い。^^;


にも関わらず、私は通学期間の殆どを その高校に詰め襟を着て通ってたんだけどね。


で、卒業式には我が家に伝わる先祖代々の紋付き羽織袴で行ったんだ


だから、第二ボタンなど そもそも無い。(ToT)


横で一緒にTVを見ていた嫁に


「やっぱ、オマエも俺の第2ボタン欲しかった?」


と 何気なく聞いたら


「え? 貰ったじゃん、持ってるわよ」


「へ? だって、紋付き…」


「中学の卒業式の時に貰ったじゃん

 お互い、高校は制服無いから これが最初で最後の詰め襟だ…って


 あれ? アナタ、忘れてたの そんな大事なこと…」


アッという間に嫁の機嫌が悪くなった。(ToT)


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●Dolls(ドールズ)


2002年に公開された北野武の映画「ドールズ」について語ってみる。




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この映画に関しては 随分、前にDVDを入手して観ており、その時に感想を記事にして掲示しようと一度は記事をまとめたのだが 掲示する寸前で書いた記事が気に入らないので止めた経緯がある。^^;


カッコ良い表現を使えば この映画は全体がシュールで 今までの北野映画のような小ネタの様なギャグやバイオレンスは無く、相変わらず北野映画独特の台詞の少なさなどから ハッキリ言えば「判り難い」^^;


ただ、別の点でハッキリしているのは映像が 特に静止画で見ると より明確なのだが画がとても綺麗だという事。


時々、画面が綺麗な風景画の様に見える瞬間がある。


もし、それを「映像美」として「芸術」と捉えるのなら 私はそれに異議を唱える気は無い。


ただ、ストーリーが難解で それを理解出来ず、短絡的に「ツマンネ」と評価してしまうか 逆に、それらの瞬間的な映像を見る側が独自に解釈したり受け止めたり出来た事によって「深い秀作」と捉えるか… それが、この「ドールズ」の鑑賞評価に至るとすれば 後者より前者の方が圧倒的に多いらしい。^^;


しかも、後者の評の多くは どこかに気取った表現が多く、その評じたいを素直に受け入れにくい…という副作用もある。^^;


例えば、


『オリエンタルな死生観に基づいた”諸行無常”が、この映画を支えている。』


とか、


『背景色と対象的な色をわざと空間に置くことで、映像全体のバランスに適度な緊張感が生まれ…』


等々…


言ってる事は間違って無いと思うけど、その言ってる事が難しい。^^


で、ひとつ実験的に ブタネコの個人的な「ドールズ」の見方を御披露申し上げ参考にして頂ければと思う。


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「西島秀俊」


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「菅野美穂」


二人は 元々、結婚を間近に控えた恋人同士だったけど 上役の娘との逆タマに男ははしり、女は自殺を図り助かるが精神的に壊れてしまう。


それを知った男は 上役の娘との結婚式場から飛び出し、女のもとへと向かう。


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その後の二人が 赤いヒモで繋がって徘徊して歩く姿は 男の女への贖罪に映る。


例えば、この二人 もう既に死んでしまっていると考えたら どうだろう?


だからと言って、ただの「幽霊」という意味では無く、かと言って「天使」という風に美化して言うのも違うと思う。


私には「死神」に近い存在に思える。


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ヤクザのところや…


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事故でおちぶれたアイドルのところを彼らが通り過ぎた後に、起きる事を思えばね^^


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だから、この「ドールズ」みたいな作りの映画は 今風の台詞や描写が必要以上に多い「判りやすい」映像で 「あ~ こいつは いつもトラウマで根暗な役ばかり」を演じている女優と「あ~、こいつは 純愛とか言いながら、いつもオドオドしてるような男ばかりを演じている役者だ」みたいな俳優が演じれば ストーリーがどうこうという問題にならず「xx君は また、演技の幅が広がったみたい」とか「彼女が演じた事によって 泣いたね」なんて評が多くなるのであろうけど そういう映像ですら まともに中身を見ていないような人には いたって単調で判り難いツマラナイ映画って事になるのであろう。^^;


いずれにせよ、嫁や娘は買い物に出かけて おそらくそのまま外食して来るであろう日曜日の黄昏時 独り、家でポツンとしているオヤジが タバコ吸いながらポケーッと眺めるには手頃な意味深さの映画として楽しめる… と、私は感じた。



ちなみに、

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短いシーンだが 三橋達也の演じるヤクザの親分が若い頃を「津田寛治」が演じてる。



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